早乙女輝の渾身のレビュー『運のいい人の法則』リチャード・ワイズマン著角川書店(角川グループパブリッシング) (2011/10/25)

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本書は、英国の心理学者リチャード・ワイズマン博士による画期的な著作です。運を科学的に分
析し、誰もが実践可能な具体的な方法論を提示しています。
ワイズマン博士は、8年間にわたり数百人の被験者を対象に綿密な調査を行い、運のいい人と
運の悪い人の思考パターンや行動様式を詳細に分析しました。
その結果、運のいい人に共通する4つの法則を発見し、これらを実践することで運を向上させら
れることを実証しました。
全体の構成は3部からなり、読者が段階的に運を向上させるための知識と技術を習得できるよう
工夫されています。
第一部では運の概念と重要性について説明し、第二部で4つの法則を詳しく解説し、第三部では
実践的なレッスンとワークショップを提供しています。
本書の特徴的な点は、運を科学的に分析していることです。ワイズマン博士は、運を単なる偶然
や神秘的な力ではなく、心理学的な要因によって説明可能な現象として捉えています。
この科学的アプローチにより、本書は他の自己啓発書とは一線を画しています。
多くの読者が、本書の実践的なアプローチに高い評価を与えています。
Amazonのレビューでは、本書の方法を実践することで実際に運が好転したという報告が多数見
られます。
特に、日々の小さな出来事に感謝する習慣や、新しい経験に開かれた態度を持つことの重要性
が強調されています。
本書の核心となる4つの法則は以下の通りです。それぞれ詳しく説明いたします。

  1. チャンスを最大限に広げる
  2. 虫の知らせを聞き逃さない
  3. 幸運を期待する
  4. 不運を幸運に変える


『第1の法則』「チャンスを最大限に広げる」では、人脈を広げることと新しい経験に開かれた態度
を持つことの重要性が強調されています。
運のいい人は積極的に人と交流し、日常生活の中で偶然の出会いや予期せぬチャンスを見逃さ
ず、それらを最大限に活用する傾向があります。
『第2の法則』「虫の知らせを聞き逃さない」は、直感の重要性を説いています。運のいい人は自
分の直感を信頼し、それに基づいて行動する傾向があります。

ワイズマン博士は、現代人に直感力を高めるための具体的な方法として瞑想なども提案してい
ます。
『第3の法則』「幸運を期待する」は、楽観的な態度の重要性を強調しています。運のいい人は、
将来に対して前向きな期待を持ち、目標達成に向けて粘り強く努力します。
この前向きな姿勢が、実際に幸運を引き寄せる効果があるとワイズマン博士は主張しています。
『第4の法則』「不運を幸運に変える」は、逆境に対する対処法を示しています。
運のいい人は、不運な出来事にも前向きな側面を見出し、それを学びや成長の機会として捉え
る能力があります。この柔軟な思考が、長期的には幸運につながるとされています。
以上のように本書は、運の概念を再定義し、それを個人の努力によって変えられるものとして提
示している点で革新的といえます。
ワイズマン博士は、運を「心の状態」「考え方や行動の仕方」として定義しており、これは従来の
運に対する固定観念を覆すものです。
本書の方法論は、ビジネスや個人の成功にも応用可能です。
例えば、ネットワーキングの重要性や、直感を信じて行動することの価値は、ビジネスの世界でも
非常に重要な要素です。
また、逆境を機会に変える能力は、運の良い個人や組織を作り上げる上でとても必要です。
本書は、単に運を良くする方法を教えるだけでなく、より幸福で充実した人生を送るための指針も
提供しています。
「幸運を期待する」という法則は、ポジティブ心理学の知見とも一致しており、楽観的な態度が実
際の成果につながることを示唆しています。
ワイズマン博士の背景も本書の信頼性を高めています。彼はマジシャンとしてのキャリアから心
理学者に転身し、人間の心理と行動の関係に深い洞察を持っています。
この独特の経歴が、本書の斬新なアプローチにつながっていると言えます。
また、運の概念を個人の責任と結びつけている点で、読者に大きな力を与えます。
運を外部の力ではなく、自分でコントロール可能なものとして捉えることで、読者は自身の人生に
対してより主体的になることができます。
しかし、本書のアプローチにはいくつかの批判も存在します。
例えば、すべての不運を個人の責任に帰することは、構造的な不平等や社会的要因を無視する
ことになりかねないという指摘があります。

また、極端な楽観主義が現実的な判断を妨げる可能性もあります。
それでも、多くの読者にとって本書は、人生を前向きに捉え直すきっかけとなっているようです。
特に、不運な出来事にも肯定的な側面を見出す能力は、レジリエンスを高め、精神的な健康を維
持する上で非常に有用です。
総じて、『運のいい人の法則』は、運という抽象的な概念を具体的な行動指針に落とし込んだ画
期的な著作と言えるでしょう。
科学的な裏付けと実践的なアプローチの組み合わせが、多くの読者の共感を得ており、世界30
カ国でベストセラーとなった理由もここにあります。
【まとめ】
私も試しに4つの法則を実際に行ってみました。私は生まれた時から、世界一運が良いと思って
いましたが、
他のレビューにもあるようにワイズマン博士の4つの法則を日常生活に取り入れることで、人生を
より積極的にコントロールし、幸運を引き寄せる力を身につけるこることの素晴らしさが改めて理
解ができました。
本書は、私のように運をさらに強運にしたい人だけでなく、より充実した人生を送りたいと考える
すべての人にとって価値あり、また手に取って欲しい一冊です。